全日本で人気を博した名物レフェリーの和田京平氏(56)が、同団体との契約満了により退団し、本格的にフリーランスとして活動することになった。21日、都内で会見した和田氏は「40年近く全日本にいて、できれば全日本のリングで引退したかった。自分を必要としてくれるところでやっていきたい」と話した。

 72年に故ジャイアント馬場さんの薦めで全日本に入社。元全日本レフェリーで、昨年11月に他界した故ジョー樋口さんに師事し、74年にデビューした。通算1万試合以上をレフェリング。「全日本の顔」として活躍してきた。

 ただ、近年は団体の経営改善と世代交代促進により、09年に全日本の役員を外れ、昨年4月からはフリーランスのワンマッチ契約で参戦していた。5月29日の神戸大会でVM問題が発生。武藤社長の辞任という不祥事により、全日本側は組織面の整備に着手。和田氏との契約も、諏訪魔が4度目の防衛に成功した19日の3冠ヘビー級選手権(東京・両国国技館)をもって満了となった。

 和田氏は「今のレスラーはみんな、デビュー戦から裁いてきた。頑張ってほしい。また、自分を必要としてくれるなら全日本のリングに立ちたい」と話した。全日本の内田雅之社長も「通常参戦の契約は終わるが、業界全体の成長に必要な方だとリスペクトしている。年内に(ワンマッチで)オファーする可能性はあります」とスポット参戦での“復帰”に含みを持たせた。