魔裟斗年内引退!太く短く美学貫く
立ち技系格闘技K-1のエース魔裟斗(30=シルバーウルフ)が、年内で現役を引退する意向であることが3月31日、分かった。00年から参戦し、K-1中量級(70キロ以下)の世界王者として君臨。リング上だけでなくテレビや映画、CMなど幅広く活躍してきたが、年内の1~2試合で格闘家として完全燃焼する決意を固めた。トップファイターとして余力を残しているとみられるが、K-1のカリスマは太く短くという自らの美学を貫いてリングを去る。
日本の格闘技界のエースと呼べる魔裟斗が、年内で現役生活にピリオドを打つ決意を固めた。関係者によると、魔裟斗は最近になって「今年で完全燃焼すると決めた」という。
魔裟斗は昨年10月、中量級の世界王者を決める「K-1 WORLD MAX世界一決定トーナメント」を5年ぶりに制覇した。出場が有力視されていた、大みそかのイベント「Dynamite!!」には出場しないなど、この5カ月ほどは試合から遠ざかっている。先月22日には東京マラソンに挑戦して見事に完走。ゴール直後には今後について「今年の目標は決まっているので、もうすぐ発表したい」と言葉を濁していた。そのころにはすでに年内での現役引退を決意していたようだ。
93年の旗揚げから、K-1はヘビー級(85キロ以上100キロ以下)など重量級の戦いが中心となっていたが、魔裟斗の参戦を契機として中量級が設けられるようになった。強さと、スマートな格好良さを兼ね備えた「カリスマ」の登場で、リングサイドなどには格闘技とは無縁とみられていた若い女性が詰めかけ、黄色い声援が飛ぶようになった。
その人気に後押しされるように魔裟斗は相次いでテレビに出演した。化粧品のCMでは女性モデルと共演し、俳優として映画デビューも果たした。07年にはタレント矢沢心との結婚を発表するなど、これまでの格闘家イメージを大きく変える、K-1の枠を超えたファイターとなった。
関係者によると、魔裟斗は技術的にはもちろん、体力的にもトップファイターとして続けるには何の問題もない。試合に向けてのハードな練習もこれまで通り続けていく考えでいるようだ。それでも引退を決めたのは太く短くという自らの美学を貫きたいから。周囲には常々「格好いい生き方、辞め方をしたい」と語っていたという。
21日の「K-1 WORLD MAX 世界一決定トーナメント」(福岡・マリンメッセ福岡)では、自身の引退後のK-1を引っ張ってもらいたいという願いを持って、17歳のHIROYAとのエキシビションマッチを予定している。HIROYAは19歳以下の高校生を対象として開催した昨年の「K-1甲子園」の優勝者。「後継者」として期待する新星とこぶしを交え、K-1の未来を託すつもりのようだ。
その後、年内に日本武道館や、さいたまスーパーアリーナなどの大会場で1、2試合を行う予定。日本格闘技界のカリスマは完全燃焼し、最強王者のままリングを去る。
[2009年4月1日10時59分 紙面から]
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