新日本プロレスに、ラグビー・トップリーグ福岡サニックスでプレーしていたトンガ人シミ・タイトコ・ファレ(27)が練習生として入団したことが2日までに分かった。ラグビー経験者の新日本入りは、明大ラグビー部出身で99年入団の鈴木健想以来。トンガ人の国内プロレス団体入りは、77年全日本入団のプリンス・トンガ以来32年ぶりとなる。昨年10月の入門テストに立ち会った三沢威トレーナーは「パワーとスピードを兼ね備えている。将来の中西学」と期待した。

 ファレはラグビー留学で徳山大を卒業後、06~08年に福岡サニックス所属。193センチ、113キロの体格を生かし、ロックとしてプレーした。関係者によると「外国人枠により公式戦出場はなかったが、スピードに乗ってボールを持ったら2、3人は引きずっていた」と振り返る。08年3月にラグビーは引退。知人に新日本ファンがいたことからテレビを見てプロレスに興味を持ち、入門テストを受けた。

 同テストの自己PRでは、サンドバッグ相手に得意のタックルを披露。これが新日本関係者の目に留まった。現場監督を務める平田淳嗣は「サンドバッグがくの字になった。選手の立場としては『あれを食らってはきつい』と思わせるタックル。日本語も堪能だし、素材もいいので、じっくり育てたい」と話した。ファレは今月下旬に入寮し、食事係などの雑用をこなしながらデビューを目指すことになる。