<全日本:サマーアクションシリーズ>◇31日◇名古屋・愛知県体育館◇3250人

 3冠ヘビー級王者の諏訪魔(34)が5度目の防衛に成功した。若手の挑戦者、真田聖也(23)を徹底した右腕殺しで圧倒。28分にラストライドからの体固めで勝利を収め、周囲の「世代交代」の期待を一蹴した。

 諏訪魔は真田のエルボー封じへ右腕攻撃を徹底した。腕折り、腕固め、そして鉄柱攻撃。真田の原爆固めやあばら折りの反撃にも耐え、最後はラリアットからラストライドでとどめを刺した。昨年8月に鈴木を破り王座獲得。以来、船木、太陽ケア、KENSO、永田と自分よりキャリアの長い選手を相手に防衛し続け、真田が初の若手だった。春のチャンピオン・カーニバルでは、優勝した新日本の永田に予選でフォール負けし決勝進出を逃した。永田と好勝負を演じ準優勝した真田に次期エース、世代交代の期待が集まった。

 11歳も年下の真田から「若い者で盛り上げる」と突き上げられた。それが逆に諏訪魔のモチベーションになった。シリーズ中の前哨戦でも徹底して真田の右腕を攻め、この日に備えた。「若手の壁になった。何度でもはね返す。これで8月27日の(合同)チャリティー興行に、全日本の強い王者として出て行ける」と胸を張った。【小谷野俊哉】