【ラスベガス(米ネバダ州)5日(日本時間6日)=山下健二郎】世界最高峰といわれる米国総合格闘技UFCが来春の“日本再上陸”を検討していることが分かった。約12年ぶりの日本開催となった今年2月の「UFC

 JAPAN」に続き、同会場のさいたまスーパーアリーナで来年3月に実施予定。多数の日本人選手が出場機会を得る可能性がある。UFCは本格的な世界進出に乗り出しており、日本での2年連続開催が実現すれば、プロ格闘技発祥の地としてアジア戦略の重要拠点になりそうだ。

 UFCは、かつて世界の格闘技界をけん引していた日本市場に将来性を感じていた。興行規模を世界最高レベルに拡大したズッファ社の経営下となって以来、将来的な日本での継続開催を模索していたが、2月のUFC

 JAPANで約2万人の観客を動員し、海外大会では上位となる37万件以上の有料放送契約数を記録。興行実績を踏まえて2年連続で開催する方針を固め、来年3月のさいたまスーパーアリーナを有力候補に調整を進めている。

 この日、7日(日本時間8日)にラスベガスで行うUFC148大会の公開練習を視察したズッファ副社長兼アジアマネージングディレクターのマーク・フィッシャー氏は「我々には再び日本で開催する計画がある。正式決定ではないが、来年3月に埼玉で行う方向で検討している」と認めた。今後、対戦カードやタイトルマッチの実施可否など、詳細を煮詰めていく方針。海外大会では通常、開催地域の出身選手が多くエントリーされる傾向にあり、2月の日本大会でも8選手が出場。来春の開催が実現すれば再び、チャンスを手にする可能性が高い。

 UFCは全米で人気を得て、140の国や地域で10億人が視聴可能な世界規模の興行へ成長している。既にカナダ、ブラジル、オーストラリアなどで開催しており、さらに国際的なスポーツへ市場を拡大するため、アジア進出を重要課題に掲げていた。今月3日には、11月に中国・マカオで初開催すると発表。構想を実行に移しつつある。中でも、PRIDEやSRC、DREAMなどを開催してきた日本市場への期待は大きく、2年連続開催が現実味を帯びてきた。

 ◆今年2月の「UFC

 JAPAN」

 UFCとしては約12年ぶり、ズッファ社の運営下では初の日本開催となった。正式大会名は「UFC144」で、ナンバーシリーズの主要興行。秋山成勲、岡見勇信、日沖発、五味隆典、山本“KID”徳郁、福田力、水垣偉弥、田村一聖が出場。PRIDEミドル級で活躍したランペイジ・ジャクソン、01年K-1王者マーク・ハントも名を連ねた。メーンイベントではベンソン・ヘンダーソンが、UFC世界ライト級王者フランク・エドガーの4度目の防衛を阻止した。