世界王者の乱立は許さない。東日本ボクシング協会は24日、都内で理事会を開き、世界王座の挑戦者資格の内規をつくることを決めた。元世界王者以外では、(1)日本王座の獲得(2)東洋王座の獲得(3)アマチュアの国際大会メダリストと、いずれかの条件を満たした世界ランカーに世界挑戦が認められる。IBFとWBOが公認されることを見通し、世界挑戦のハードルを上げる狙いがある。

 現在の日本人世界王者は8人。日本ボクシングコミッション(JBC)は年末にもIBF、WBOを公認する方向で、WBA、WBCを含め、国内でも4団体の世界タイトルが認められる。IBF、WBOともに強豪王者が多数おり、両団体の公認は時代の流れだが、一方で日本人世界王者がさらに増え、世界王座の価値が落ちるリスクはある。

 世界王者乱立の防止策が、今回の世界挑戦資格になる。東日本ボクシング協会の大橋秀行会長は「世界挑戦の資格を厳しくし、世界王者の乱造を防ぎたい」と説明した。この内規が決まれば、日本タイトルマッチが世界挑戦者決定戦になる場合もある。大橋会長は「日本王座の価値も高まるはず」と続けた。

 世界挑戦資格は、10月13日の日本プロボクシング協会理事会を経て正式に決定する。かつて、同様の内規がありながら消滅した過去があるが、大橋会長は「違反者には厳しい罰則を考えている」とルールを徹底していく方針。なお、世界挑戦資格は国内開催の世界タイトルマッチに限定され、日本人選手が36連敗中の海外での世界挑戦は「協会の管轄外」で適用されない。