WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志(33=ワタナベ)が、スーパー王者となって同級暫定王者になったユリオルキス・ガンボア(30)を迎え撃つプランが浮上した。内山が所属するワタナベジムの渡辺均会長(62)が11日、31日の暫定王者ブライアン・バスケス(25)との王座統一戦(東京・大田区総合体育館)に勝った場合、WBAに対し文書でスーパー王者の認定を申請する意向を明らかにした。

 内山はこれまで5度タイトルを防衛。10年にはWBAのアジア優秀選手賞、昨年は同年間KO賞を受賞。バスケス戦に勝てば、2度目の王座統一ともなる。その強さは、WBAの中でも認知されている。「スーパー王者になる実績は十分にある。内山がスーパー王者で、ガンボアが正規王者になって戦った方が、興行の価値も上がる。交渉次第だが(ファイトマネーが)50万ドル(約4000万円)以下ではやらない」と渡辺会長は強気だ。

 ガンボアは、8日のファレナス戦に勝って暫定王者に認定された。試合を見たという内山は「いいですね。逆にやるチャンスがぐっと近くなった」と前向きだ。ガンボアが階級を上げてきたことで、同階級NO・1の座をかけた戦いに、意欲をかきたてられた。「この階級で一番強いと世間が見ているのはボクよりガンボア。そこに勝てばもうこれ以上はないでしょう」と、内山はしっかりねらいをガンボアに定めている。【桝田朗】

 ◆スーパー王者

 WBAが01年1月に始めた制度で、世界王者の上に位置する。スーパー王者の認定を受けると、その階級の世界王座は空位となる。最初はWBA以外の団体と統一戦を行い勝ったWBA王者がスーパー王者に認定されたが、最近は実績が評価された場合も認定されるようになった。WBA世界スーパーフェザー級ではスーパー王者は存在せず、日本人も過去にはいない。