初場所で日本出身力士として10年ぶりに優勝した大関琴奨菊(佐渡ケ嶽)が32歳の誕生日を迎えた30日、都内で昨年7月10日に結婚した祐未夫人(29)と挙式・披露宴を行った。森喜朗元首相ら約630人に祝福されて「最高の披露宴を迎えられました」と喜んだ。

 珍しく人前結婚式で始まった華燭(かしょく)の典。実は先代師匠の元横綱琴桜と同じだった。指輪交換では、琴奨菊から婚約指輪と同じヴァンクリーフ&アーペルを、祐未夫人からはカルティエの腕時計を贈った。お色直しで桂由美デザインのドレスをまとった夫人に「ほれてまうやろ~」とデレデレ。新婚旅行は夏場所以降で「ニューカレドニアかモルディブに行きたい」と楽しみにふけった。

 ただ、その前に大事な場所が待つ。春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)は綱とり。媒酌人の古賀誠元自民党幹事長は「さらなる大輪の花の期待が今日の宴には込められている」と雰囲気を引き締めた。塩田宗広トレーナーはケトルベルを持ち込み「今までは16キロ。これからは24キロにする。大関、覚悟してください」と呼びかけた。

 4日に稽古を再開する。悲願を果たせば32歳2カ月0日。年6場所制の58年以降、最年長だった先代の32歳1カ月29日を2日超える。「先代は32歳で横綱になった。自分もそれを目指したい」。最高の形で伴侶を披露できたこの日、強く、誓った。【今村健人】

<コメント>

 ▼祐未夫人 結婚は昨年7月10日でしたが、結婚指輪をつけた瞬間、あらためて(琴奨菊の本名)「菊次」の名前になったんだなと、うれしくなりました。(初優勝で式の)準備がバタバタしてしまいましたが、喜びの中で、慌ただしく幸せに過ごせた1週間でした。

 ▼森喜朗元首相 普段はヒゲばかり生やしていたが、今場所はなかった。祐未さんのおかげかな。ヒゲをそるといい男。このまま横綱になれば最高の横綱になる。

 ▼タレントのデヴィ夫人 先代も生きていたら、どれだけうれしいか…。私も涙が出そうでした。素晴らしいカップル。日本中が拍手喝采ですよ。

 ▼タレント上地雄輔 「応援に来て」と、見に行ったらちょうど負けて…。でも、験直しの焼き肉を一緒に食べて「優勝しろよ」と言ったら、本当に優勝してくれてうれしかった。