立ち合いの変化で勝負をつけ、館内に大ブーイングと落胆の嵐を巻き起こした大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)の相撲に、協会関係者も残念そうな言葉を口にした。

 役員室のテレビで見守った協会トップの八角理事長(53=元横綱北勝海)は「真っすぐ行ってほしかった。勝ちたい気持ちは分かるけど、大関だからね」と、穏やかな口調ながら注文をつけた。満員御礼が続くファンあっての大相撲。「いい相撲を見て、お客さんは満足してくれる。残念は残念だね。(ファンに)見せるという認識がね」と、大関の意識不足を指摘した。

 幕内後半戦の審判長として正面土俵下から見守った審判部の二所ノ関部長(60=元大関若嶋津)も「上(=横綱)を狙う人がガッカリだね」とチクリ。照ノ富士が今場所優勝すれば「2場所連続優勝もしくは、それに準ずる成績」という横綱審議委員会の内規に照らせば、来場所は綱取りになるが「今日みたいな相撲だと印象がね」と、昇進問題に影響しかねないことも示唆した。