大相撲夏場所で2場所連続5度目の優勝を飾った横綱鶴竜(32=井筒)が、千秋楽から一夜明けた28日、都内の部屋で会見した。

 同場所は、4日目に前頭松鳳山に敗れた以外、すべて勝って14勝1敗だったが「今だから言えるけど、3日目ぐらいから風邪をひいてしんどかった」と打ち明けた。「途中、熱があった時もあったけど、あえて計らなかった。(体温計の数値を)見たらダメだと思って。最後の方は良くなったけど、中盤は苦しかった」と続け、点滴を打っていたという。それでも「一瞬、ダメな方に考えそうになったけど、そこであきらめずにやれた」と振り返った。

 7月の名古屋場所については「3連覇という新たな挑戦ですけど、それに向けて。あと全勝優勝もしていないので、そこも目指して、これからも精進したい」と、目標を語った。

 昨年11月の九州場所までは、同じ4場所連続休場で苦しんでいた稀勢の里に対してもエールを送った。鶴竜は今年に入って復活したが、その後も休場が続いているのが横綱稀勢の里。稀勢の里に対しては「アドバイスなんてできる立場ではない」と前置きした上で「彼も強い気持ちを持っていると思うので、出てきた時にそれを見せるのではないかと思う。同じ横綱としても頑張ってほしい」と話し、復活を期待していた。