俳優寺尾聡(62)が7日、都内で行われた日本映画批評家大賞で主演男優賞受賞し、故北林谷栄さん(享年98)との思い出を語った。北林さんは寺尾の父、故宇野重吉さんと劇団民芸を設立しており、寺尾は「僕が生まれる前からの知り合いだったという感じです」と振り返った。
寺尾と北林さんは映画「阿弥陀堂だより」(02年公開)で共演。寺尾主演で北林さんが「聡が出るのであれば」と出演依頼を受けた作品だ。同作品の撮影現場で北林さんが「この衣装を気に入ったから着替えたくない」と言いだし、スタッフが寺尾の元に相談に来た。寺尾は「わがままばかり言うから、(北林さんの)息子を呼ぼうと、息子を呼んだんです」。北林さんの長男朝生さんを撮影現場に呼んだが「息子もマイペースなやつで、2、3日観光して帰っちゃった。(北林さんは)近い距離の移動にも30分ぐらいかかるから、おんぶして。今思うとあの時、朝生を呼んでよかったなと。悲しいと言うよりやっと上(天国)で仲間と一緒に会えているんだなと思います」。
北林さんからは生前「あなたは顔つきがそうだから、まじめでないことも知っているけど、真っすぐ向いて歩くということも知っている。感じたように芝居をしなさい」と言われた。この日、主演映画「さまよう刃」で主演男優賞を受賞。報道陣から「北林さんに言われたことを実践しているのでは」と問われると、寺尾は「そうだったらうれしいですよね」と笑顔を見せた。



