大腸がんのため5月28日に54歳で亡くなった俳優今井雅之さんのお別れの会が16日、都内のホテルで行われ、SMAP中居正広(42)ら約600人が訪れた。

 多忙の中、駆けつけた中居は、取材陣の目を避けて会場入り。場内で今井さんの舞台や映画の出演映像が映し出されると、中居は、目に涙を浮かべながらも、画面じっと見つめていた。中居は95年のテレビ朝日系ドラマ「味いちもんめ」で共演し、当時は仲がいい方ではなかったが、その後、うち解け、深い親交があった。4日放送のラジオ番組で中居は、今井さんからの「検査しろ」と、遺言のような言葉を受け、検査の結果、喉に腫瘍が発見され、6月に除去手術したこと明かしていた。

 また、今井さんの主演舞台「THE WINDS OF GOD」の演出を手掛けた演出家奈良橋陽子さん(68)が弔辞を読んだ。奈良橋さんは、今井さんの主演映画「手をつないでかえろうよ」について、「着々と進んでいます。その報告をしたかった。必ず完成します。来年5月の一周忌に全国を回れるように頑張ります。約束します。多くの方が見られる作品にしたい」と遺影に語り掛けた。他に、今井さんが慕っていた千葉真一も弔辞を読んだ。

 祭壇は今井さんのイメージカラーである赤を基調に、赤のユリ、バラ、カーネーションなど3005本の花で飾られた。戒名は同級生の僧侶が決め、「雅風徹信居士(がふうてっしんこじ)」。今井さんの名前の雅、風のように太く短く過ぎ去った人生、ライフワークの舞台「THE WINDS OF GOD」の意味も込めた。徹信は自分の人生を信じ、貫き通した生き様を意味しているという。遺影は同舞台出演時の写真という。