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 混雑を避けて初V!

 横浜・金沢八景沖にある野島防波堤で7月27日、クロダイをタイ象にして「第9回野島杯争奪」釣り大会が開催された。参加者は計69人で、最終的に15人で計20匹をキャッチ。総匹数を競った結果、渡船者が少なかった「赤灯台」堤を選択して3匹を仕留めた平間卓さん(72=東京都町田市)が初優勝の栄冠に輝いた。審査委員長を務めた野島防波堤海津クラブの田中正司名誉会長(71)が報告する。

 大会は、渡船が午前6時で、それぞれが選択した釣り場に渡って、一斉に釣りをスタート。対象魚のクロダイは30センチ以上で数釣りが勝負だ。

 晴天下のこの日は大潮回りで、ソコリ(最干潮時)が午前11時14分。野島防波堤のクロダイ釣りは〈下げ潮を狙え〉がセオリーで、正午のストップフィッシングまではほぼ下げ潮時での釣りになり、南西風も適度に吹き、条件はいい。午前8時ごろ、各釣り場で出たのは7匹で、以降もヒットが連発し、最終的に15人が獲物をキャッチして計20匹の釣果となった。もう1つのセオリー〈干潮時前と上げっぱな(上げ潮突入時)に食い立つチャンスあり〉を証明するものだろう。

 そんな中、「潮回りからみて最も釣り人が少ないはず」と読んで「赤灯台」堤に渡った平間さんだが、これがビンゴ!

 イ貝のツブ(稚貝)ダンゴを付けエサにしてフカセ釣りで攻めたところ、43・7センチと41・8センチを立て続けに釣り上げた。そして、43センチを追釣して計3匹をゲット。「ちょうど格好の潮流れがあったのがラッキーだった」と振り返る。

 一方、「ハナレ」にいた長谷川直也さん(43=埼玉県久喜市)も46センチと32・4センチ2匹を取り込んだ。さらに「新堤」で石岡信也さん(40=神奈川県藤沢市)が39・1センチと38・2センチ、「ドック灯台」の伊藤一則さん(51=横浜市)も44・8センチと31・7センチの2匹をマークしたが、同数の場合は総全長審査となり、小差の接戦を制したのは78・4センチの長谷川さんで2位に、77・3センチの石岡さんが3位、76・5センチの伊藤さんが4位に入賞。また、「青灯堤」で47・4センチを仕留めた久永広太郎さん(51=横浜市)が大物賞を獲得した。

 期タイされた50センチ超の大物は出なかったが、それでも、釣り場全体でバラつきなくクロダイが掛かり、うち40センチオーバーの良型が半分(10匹)を占めるなど、〈当たり年〉を裏付ける展開だった。今後シーズン的には11月ごろが終期だが、このまま続きそうな気配が濃厚だ。

 ◆大会ベスト10=クロダイ30センチ以上総匹数(同数は総全長で同長は総重量)審査

 (1)平間卓3匹総全長128・5センチ(2)長谷川直也2匹78・4センチ(3)石岡信也2匹77・3センチ(4)伊藤一則2匹76・5センチ(5)久永広太郎1匹47・4センチ(6)岩岡孝(51=横浜市)1匹47・1センチ(7)藤井有一(45=千葉県市原市)1匹45・3センチ(8)前田宏巳(37=横浜市)1匹44・9センチ(9)加賀谷匠(34=横浜市)1匹43センチ(10)藤村信之(35=千葉県市川市)1匹37・6センチ

 ▼大物賞

 久永広太郎47・4センチ(敬称略)

 ▼渡船

 日刊スポーツ新聞社指定「村本海事」【電話】045・781・8736。渡船1人4000円で午前7時と正午便(午後3時45分便の夕まずめだけは2000円)があり、帰港は日没が目安。土曜日は午後8時半帰港の夜釣りもOKで各5000円。女性&中学生は2000円(小学生無料)。ほか1家族4人まで6000円(1人増し2000円)のファミリー割引もあり詳細要確認。クロダイのほか投げ釣りでシロギスやカサゴ、ルアーでスズキなども狙える。毎週木曜日定休(祝日は営業)。HP<http://www1.seaple.icc.ne.jp/muramotokaiji/>

 ▼交通

 電車は京浜急行・金沢八景駅からシーサイドラインに乗り換えて野島公園下車。車利用の場合は詳細要確認。

 ※「村本海事」では、10日(日)「チャリティークロダイ釣り大会」を行う。30センチ以上のクロダイを対象に総重量(同量は総匹数)を競うもので、落とし込み釣りとフカセ釣りに限定。午前7時に渡船、ストップフィッシングは午後4時予定。渡船料金のほか参加費1000円(クロダイの稚魚放流資金も含む)。申し込みは「村本海事」へ。