年末の風物詩、「現代用語の基礎知識選 2016ユーキャン新語・流行語大賞」の候補30語が17日、発表され、「都民ファースト」など、小池百合子都知事(64)の関連語が4語、選ばれた。都知事選後も続く「小池劇場」に沸いた1年を象徴する形となり、小池氏は「非常に注目されたのはうれしい」と喜んだ。「ゲス不倫」や、その言葉を生んだ「文春砲」、「SMAP解散」などの話題ワードもエントリー。大賞は12月1日に発表される。

 小池氏&東京都の関連語は、(1)都民ファースト(2)アスリートファースト(3)レガシー(4)盛り土の4語。(1)は、小池氏が都政運営の理念に位置づけ、今月12日に自身の政治塾に寄せたビデオメッセージでも「(流行語に)選ばれればいいなと思う」と期待を示していた。

 舛添要一氏が「政治とカネ」の問題で都知事を追われた末の都知事選で、自身を公認しなかった自民党東京都連を「ブラックボックス」と称して、対決。都政の透明化を訴えて都民の共感を呼び、291万票を超える票数で圧勝した。

 就任後も「小池劇場」で注目を集める半面、五輪競技会場の見直しや豊洲市場の移転延期などは、賛否が割れる議論に発展。特に、五輪会場見直しにも関連した(2)や(3)は、今月中に出される結論次第で、逆に小池氏の手法が問われる事態を生む可能性もある。

 小池氏は17日、複数エントリーの感想を問われ「『都民ファースト』など、非常に注目していただいたことはうれしい」と喜んだ。「アスリートファースト」「レガシー」に関しても「五輪、パラリンピック絡みでも注目が集まっているのはうれしい」と述べた。

 しかし「盛り土」に関しては、「私(が言ったの)ではありません。その前の方が…。まあ、あまり言うと何ですので」と、言葉を濁して立ち去った。見通しが立たない築地市場の豊洲移転延期につながったワードは、実態を把握してこなかった石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏、舛添氏の歴代知事から引き継いだ「負の遺産」との認識があるようだ。

 ちなみに、昨年の選考委員長で、小池氏と都知事選を戦った鳥越俊太郎氏は今年、委員にも名を連ねていない。事務局によると、都知事選に出馬する段階で、鳥越氏から辞退の申し出があったという。

 ◆新語・流行語大賞 1984年(昭59)に制定され、審査委員会が毎年12月上旬にトップ10と年間大賞を選ぶ。ノミネートの言葉は「現代用語の基礎知識」(自由国民社)の読者アンケートなどをもとに同委員会が決定。03年から「ユーキャン新語・流行語大賞」と改称。昨年の大賞には「爆買い」と「トリプルスリー」が選ばれた。