20年東京五輪の追加種目となった野球・ソフトボールの福島県開催について、競技会場の正式決定が来年以降に先送りされる見通しとなった。2日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会後の会見で、大会組織委員会の森喜朗会長が明かした。

 6日から始まるIOC理事会で、メイン会場は横浜スタジアムで承認される見通し。だが、復興五輪の象徴として11月に組織委理事会で承認された福島県内での開催だが、県営あづま球場(福島市)、開成山球場(郡山市)、いわきグリーンスタジアム(いわき市)の3会場で結論が出ていない。森氏は「知事に決めてくださいと言っている。残念ながら決断されていない。正直にIOCに申し上げて留保としていただきたいと申し上げる」と語り、年内にIOCの正式決定を受けることは難しくなった。

 また、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が球場の内野部分が芝ではなく、土であることに難色を示していることについて森氏は「芝生でなければできないとなれば日本では、どこもできない」と指摘した。WBSCのフラッカリ会長は先月19日に、あづま球場と開成山球場を視察。福島県はその視察リポートを元に組織委と協議して会場を絞りたいとしている。同県スポーツ課は芝生の整備についても検討対象とした。