東京都の小池百合子知事は9日の定例会見で、石原慎太郎元都知事を「いろんな意味でも、いろんな遺産を残した知事だなあと思う」と痛烈に皮肉った。

 11日に起工式を迎える新国立競技場に関する質問で、400億円あまりを出資する都として、将来的な使い方などのアイデアを問われた際、「石原氏の時代に、新国立競技場に都がかかわることを約束した」と指摘した上で、その約束について、石原氏の「遺産」だと、否定的な意味合いで述べた。

 小池氏はかねて、都が新国立に出資した経緯を疑問視する発言をしている。

 石原氏に関して、小池氏は、豊洲市場の盛り土問題で、当時の責任者として責任を取るよう求めている。

 小池氏は、新国立の今後の使い方については「お金を出すという意味でも、口を出すことはできると思う」とした上で、「最初が高すぎるからとゼロ(計画白紙撤回)に戻し、ザハ・ハディドさんに違約金を払った。こういう例を積み重ねたことで、国民の不信感が高まった」「新国立なので多くは申さないが、ないが、いまだにサブトラックの問題も解決していない」と、課題も指摘した。