自民党の小泉進次郎農林部会長は2日、無所属議員による農林部会への出席を認めてこなかったこれまでの方針を、見直すことを決めた。

 農林部会など党政務調査会の会議への無所属議員の出席に関して、党側が<1>国会で統一行動をお願いするために参加を認めるという本来の趣旨に立ち返る<2>予算などに関する会合に限定し、採決権や発言権はないなど、5項目の方針が示されたことを受けたもの。この日午前、党本部で開かれた「政調農林・食料戦略調査会、農林部会合同会議」には、前回、農林部会への出席を見送った新党大地代表、鈴木宗男氏の長女、鈴木貴子衆院議員(31)も出席。最後列の席で約1時間半、議論を聞いた。

 部会終了後、取材に応じた進次郎氏は「(無所属議員の出席が)なし崩しでなくなってよかった。無所属の方は、無所属ですから。自民党議員とは違う。それをなし崩しに進めていくのは、党のあり方として、大きな問題だと思ってきたので、整理ができたのは良かったと思う」と述べた。

 進次郎氏は先月18日、自民党が野党に転落した09年衆院選で初当選した4人でつくる「四志の会」として、無所属議員のオブザーバー出席について二階俊博館長に再考するよう申し入れを行った。4人の中の1人、伊東良孝衆議員は前回衆院選で、当時民主党だった鈴木貴子氏と同じ選挙区で戦った経緯もある。

 進次郎氏は「そもそも、無所属議員の方が自民党の政策決定過程に入ることは、違うと思っている。国会での統一行動とは関係ない勉強会や、党の方針の成長戦略、団体などのヒアリングは、国会ではなく党の問題。無所属の方が出席するり理由は何もないと思う」と、クギを刺した

 「こういった(出席禁止の)方針は農林部会だけだった。また押し切られちゃうのかなと思った。騒いでいるが蚊が刺すようなものだ、このままいこう、と思われると思ったが、自民党の中での大きな理解も広がった」と、指摘。「今回の問題を提起したのは、誰かに対してではなく、しかるべき手続きを踏んで判断すべき問題が、あまりにもなし崩し的に進んでいる現状がおかしいのではないかと(思ったから)」と述べた上で、「党の将来にもかかわるし、政党のあり方が何か問われることにもなる。仮に、相手にされなかったとしても声をあげないといけないと思ったが、最後は、自民党の良識が発揮されたのではないか」と主張。「なし崩し的」に物事が決まることへの、強い危機感を示した。