猫好きの皆さん、出来栄えはいかがでしたか? 日本出版販売(本社・東京)は先月26日、猫に関する知識を問う「第1回ねこ検定」を全国5都市で開催した。初級と中級を実施し、約4000人が受検。生態、暮らし、歴史、文化の4科目100問を解いた。昨今の猫ブームを受けて新設された検定だが、収益金の一部を保護団体に寄付し、動物愛護の普及啓発にも貢献しようとしている。

 「一般的な猫のヒゲの数は約何本?」「メス猫の発情期間はどれくらい?」。先月26日の「ねこ検定」では、初級でも、事前に勉強しないと解けない問題が多かった。都内の会場では、約2000人が受検。猫の絵が入った洋服を着たり、猫グッズを持った人が目立った。室内には「猫耳カチューシャ」を付けたスタッフも。猫好きが集う“一体感”が、検定の緊張感を和らげたようだ。

 最近は住宅事情や高齢者の増加により、散歩不要で飼いやすい猫が、犬より選ばれている。2010年以降は猫ブームが起き、マスコミでの露出が増え、特集本やグッズの売り上げも伸びた。今回の「ねこ検定」新設は、猫の人気を象徴する動きになった。

 検定の企画、運営を担当した日本出版販売・検定事業課の荒牧芽生(めい)さん(27)は「猫を飼いたい人が増えているはず。飼い方の専門書はたくさんありますが、検定に向けて準備しながら、猫に関する幅広い知識を楽しく学んでほしかった」と説明した。

 1年前から準備を進め、昨年11月1日に受検者の募集を始めた。合わせて「ねこ検定公式ガイドBOOK」(廣済堂出版)を発売。猫の生態、暮らし、歴史、文化を詳しく解説し、出題範囲とした。検定当日は、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の5会場で約4000人が受検した。

 受検料は初級4600円、中級5600円。収益金の一部は、東京都千代田区の保護団体「ちよだニャンとなる会」に寄付される。同団体は00年に設立され、飼い主のいない猫の“里親”を探し、飼えない猫を増やさないため、去勢・不妊手術を実施。区内の「猫の殺処分ゼロ」を11年から続け、全国に先駆けたモデルケースになっている。

 「単なる趣味や遊びの検定ではなく、保護団体にも認められていると知ってほしかった。第1回の検定で、受検者の皆さんの気合を感じたので、今後も年に1回のペースで続けたい」と荒牧さん。上級の増設など、新しい取り組みを続け、検定の認知度を上げていく意向だ。【柴田寛人】