2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は7日、都内で飲食戦略検討会議の第5回会合を開き、米ファストフード大手「マクドナルド」に代わる選手村の軽食店舗の設置を検討することを明かした。同社は6月、国際オリンピック委員会(IOC)のトップスポンサーから撤退していた。

 パラリンピックの射撃競技に12年ロンドン大会まで3大会連続出場した田口亜希氏は、聞き取り調査した選手たちの意見として「マクドナルドの代わりに何が入るのかを気にしている」と紹介し、「マックにはサラダパックのような商品があり、それを食べれば野菜が取れる利点があった」と語った。組織委担当者は「東京大会では選手村にマクドナルドの出店はないとの前提で対応する」と説明した。

 同社はIOCスポンサーの「食品小売り」というカテゴリーだった。担当者によると、すぐに同カテゴリーのスポンサーが見つかる状況にはないため、東京大会では代替案を組織委が検討し、対応する。ただし、「マクドナルドのノウハウはものすごく、ハンバーガーを同じような量と速度で提供するのは難しい」と語った。

 組織委は今後、選手村にマクドナルドの代わりとなる店舗の設置を検討するため、これまで選手たちが同社に何を求めていたのかを調査する。同会議の座長で日本家政学会食文化研究部会長の大久保洋子氏は「求めていたのはハンバーガー自体なのか、ポテトなのか、軽食形態なのか。または全世界にあり、慣れ親しんでいるからなのか。調べる必要がある」と述べた。

 マクドナルドのようなファストフード店舗を設置する場合、選手村や各会場の食事提供を担う業者と同じように、組織委が業者を選定することとなる。飲食戦略の策定は17年度中に行い、18年度に委託業者の選定、19年度にはメニューを決め、IOCの承認を得る流れ。

 東京大会の選手村で提供されるファストフードはハンバーガー、ホットドッグ、はたまた日本らしく「おにぎり」となるか、さまざまな可能性を検討していく。