「太田さんの名誉のために、言わなければならない」。

 民主党政権で野田佳彦首相の秘書官を務めた財務省の太田充理財局長が、その経歴を引き合いに出される形で、自民党議員に「意図的な答弁をしているのか」などと質問を受けた問題で、かつての首相補佐官が太田氏を“擁護”した。

 立憲民主党の末松義規衆院議員は20日の衆院財務金融委員会で、「与党からとんでもない質問が出たが、太田氏は1党1派に偏らない、日本に忠誠を尽くす官僚だ」と指摘。「私は(野田内閣で)首相補佐官を務めていたが、優秀な仕事ぶりに感銘を受けていた。太田さんの名誉のためにも言わなければならない」と述べた。末松氏の発言後、委員会室では拍手が起きた。

 太田氏に対しては19日の参院予算委員会で自民党の和田政宗議員が、「財務省は(消費税)増税派だ。(安倍首相は消費税増税を2度見送ったため)アベノミクスをつぶし、安倍政権をおとしめるつもりがあるから、意図的な答弁をしているのか」などと、指摘。これに対し、太田氏は「公務員として一生懸命、お仕えするのが仕事。それはいくら何でも、それはいくら何でも、ご容赦ください!」と、声を荒らげて反論した。