EXILEのフィジカルトレーナー、吉田輝幸氏が、正しい体の使い方を伝授する「EXILEエクササイズ」。第8回は、日刊スポーツ編集局文化社会部のホープ細江純平記者の投球フォームに迫ります。吉田氏は、愛工大名電のエースとして07年夏の甲子園にも出場した細江記者の投球フォームを「完全にアウトな投げ方」「骨盤の動きがほとんどない」とバッサリ。細江記者が若くして悩む腰痛、ヘルニアも、上半身だけで投げ続けた「負の遺産」と断じました。

 吉田氏は、関節を動かす要素として「安定性」と「可動性」を挙げます。前回のテストによると、細江記者は、体の柔らかさを示す「可動性」は抜群ですが、「安定性」に問題があるようです。元甲子園球児でも、正しい体の使い方ができていなければ、投球フォームにも問題があるはず。そんな確信から、吉田氏は細江記者の投球フォームに鋭くメスを入れました。

 吉田氏

 失礼ですが、投球フォームを見せてもらえませんか。

 細江記者

 僕のフォームですか?

 いいですよ。

 細江記者は自信ありげに、一見しなやかに見えるサウスポーの投球フォームを披露しました。しかし、吉田氏の指摘する社長(尻の筋肉)と副社長(腹筋)が使えていないため、いわゆる上半身だけの「手投げ」になっていると、吉田氏は見抜きました。

 吉田氏

 ごめんなさい。完全にアウトな投げ方です。骨盤の動きがほとんどない。ギュッとブレーキングできるような強さがないので、ボールを投げてもキレがない。もっと安定性を磨いて軸が決まってたら、バシッと投げられたと思う。体の使い方を分かってなかったのが原因です。

 細江記者

 うっ(と絶句)。

 ここで吉田氏は、容赦なく投球フォームの改善トレーニングに取り組みます。細江記者もフォーム改善に意欲満々です。時既に遅しと思うのですが…。

 吉田氏

 課題は見えました。筋肉の安定性がないなら、安定性を高めるトレーニングをやって、もっと腹と尻を使えるようにすればいい。尻に力を入れると自然と腹にも力が入る。腹と尻に力が入っていないと、手で投げるしかない。ダルビッシュ投手なんかは、ぐぐっと骨盤が立って、胸が張れているから、ビューンと(球が)行く。細江記者の場合はちょっと残念。もったいないですね。

 細江記者

 もっと早く知りたかったですね…。

 一同

 爆笑。もう遅いよ!

 第8回<2>につづく。【取材・構成=山田準】

 [2013年10月11日11時49分]修正前(左)は尻と腹筋が使えてなく、上半身だけで投げている。修正後(右)は軸がしっかりとしているのが分かる