EXILEのフィジカルトレーナー、吉田輝幸氏が正しい体の使い方を伝授する「EXILEエクササイズ」。第30回は「正しい体の使い方」。傘などを使って手軽にできる「オーバーヘッド・スクワット」チェックをすることで、肩甲骨から体幹、お尻の大臀(でん)筋までをバランス良く使えているかが分かります。改善エクササイズも紹介。四十肩、五十肩にお悩みの方、ぜひ実践してみてください。
自宅にある傘や棒などを使ってスクワットをします。頭上に上げた状態で背筋を伸ばし、両足は腰幅(写真1)。左右のバランスを確認しながら、かかとを床につけたまま、お尻をグッと深く沈めていきます。
吉田氏
これで体が正しく使えているかが分かります。悪い例を4パターン紹介しましょう。まずは、下までしゃがめるが、手が前にいってしまう人(写真2)。次に手は上がっているが、きちんとしゃがめていない(写真3)。そして、手はまっすぐ伸びているが背中が丸くなっているパターン(写真4)。最後に膝が中に入ってしまう例(写真5)です。
実際に試して、自分がどの例に当てはまるのかをチェックしてみましょう!
悪い例1つ1つの解説とともに、改善エクササイズを紹介します。
吉田氏
まず手が上がらないケース(写真2)。「四十肩、五十肩で腕が痛くて上がらない」という言葉をよく聞きますよね。これは肩甲骨の動きの悪さが原因です。日常生活で、腕を肩よりも上げることはほとんどないですよね。つまり肩甲骨がほとんど動いていない。ある日突然、高いところにある物を取ろうとしても、「あれっ、手が上がらない」となるのも当然です。肩甲骨が動き方を忘れてしまっているんです。無理をすれば痛みも出るし、肩でなく首の筋肉を使おうとして、けがをしてしまう原因にもなります。
では、四十肩、五十肩を改善するストレッチは?
吉田氏
背中の筋肉をほぐして肩甲骨が動くようにするストレッチは「ラット・モビリティ」(写真6)。正座をして足は肩幅より少し広めに開く。手のひらを上にして背筋を伸ばす。上体をゆっくりと沈めながら頭を下げ、両手を前方に滑らせます。何かに似ていませんか?
「お祈りのポーズ」です。
では、次にきちんと腰を落とせないケース(写真3)では?
吉田氏
これは足首の硬さに原因があります。何とかしようとすると、足が開くか、後ろに倒れてしまいます。しっかりとしゃがめない人は足首だけでなく、ふくらはぎも硬いんです。
第30回<2>につづく。【取材・構成=松本久】
[2014年5月14日13時36分](2)悪い例
下までしゃがめるが手が前にいってしまう(3)悪い例
手は上がっているが腰が落ちていない(4)悪い例
手はまっすぐ伸びているが背中が丸くなっている(5)悪い例
ひざが中に入ってしまう(6)肩甲骨のストレッチ「ラット・モビリティ」