空中でホバリングしている「ファントム3」を手で押しても、機体は元の位置に戻ろうとします。これはGPS(全地球測位システム)により機体の位置が確定されるためで、コントローラーのスティックを動かさない限り、その場にとどまるようプロペラが調整してくれます。よって、実際に風が吹いても機体は流されることなく、ある程度安定してホバリングを続けます。これはファントム3特有の機能です。


ホバリングしている「ファントム3」を手で押すと…
ホバリングしている「ファントム3」を手で押すと…

さらにファントム3には「ビジョンポジショニング」(コラム『セキドの無料体験会』でも紹介)という機能も搭載されています。機体の下部に付けられたカメラが床の模様を読み取り、超音波センサーにより床との距離を計測することで機体の位置を把握。これによりGPSが届かない室内でも、同じくホバリングを続けるようになり、飛行が安定します。ファントム3は非常に優秀なドローンなのです。


元の位置に戻ってきます。押しているのは小堀部長です
元の位置に戻ってきます。押しているのは小堀部長です

もし、GPSもビジョンポジショニングもなければ、どうなるでしょう。まず、飛行する機体から一時も目を離せないでしょう。風に流されないようコントローラーの左右のスティックを、頻繁に動かさなければなりません。スマホにカメラからの映像が映し出されるのですが、それを見る余裕など、きっとないでしょう。常に風とは反対に舵を取り、その風の強さを加味しながら機体を動かさなければなりません。想像しただけで、末恐ろしいものです。


機体の裏に地面との距離を認識するカメラと超音波センサーがあります
機体の裏に地面との距離を認識するカメラと超音波センサーがあります

今回は関東地方が梅雨明けした7月28日にセキド運営の「ドローンフィールド」(横浜市)で練習した模様なのですが、真夏のドローンの注意点を学んだので、ここで紹介したいと思います。それはバッテリーです。ファントム3を飛ばした後、バッテリーを触ってビックリ。握れないほど熱かったのです。セキドのスタッフによると、この時期飛行した後は60度以上になるそうで、使用前でも30度くらいあるそうです。ちなみに「DJI GO」のアプリでも、その温度は確認出来ます。


扇風機で冷やされるドローンのバッテリーです
扇風機で冷やされるドローンのバッテリーです

こちらの練習場ではAC電源が用意されているので充電できるのですが、バッテリーの温度が39度以下にならないと充電できなく、冷やさなければなりませんでした。ありがたいことに、冷却用の扇風機も用意してあり、とても助かりました。気付くと、扇風機の前でバッテリーが渋滞していました。


バッテリーが熱を持つと残量のランプが左からでなく右から点滅し、充電出来なくなります
バッテリーが熱を持つと残量のランプが左からでなく右から点滅し、充電出来なくなります

次回は初めてドローンで挫折した話を紹介したいと思います。お楽しみに【写真部・鹿野芳博】


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