メニューには「MATCHA」の文字

 近頃、レストラン、カフェ、ベーカリーなどのメニューに「MATCHA」という文字がない店はない!? というぐらい、抹茶ブームのニューヨーク。昨年秋、ニューヨークで今一番、ホットなエリア、ブルックリンのウィリアムズバーグに、アメリカ初の抹茶専門カフェ「MATCHA BAR」がオープンしました。

「MATCHA BAR」。NYの超ホット&ヒップなエリア、ウィリアムズバーグにオープン
「MATCHA BAR」。NYの超ホット&ヒップなエリア、ウィリアムズバーグにオープン

 まだ20代というオーナーのマックス&グラハムさん兄弟は、大学生だった数年前から抹茶にハマっていたそう。自分で抹茶について勉強したり、日本に飛んで茶畑を見学したりするにつれ、ますますその魅力に取りつかれていったとか。特に、コーヒー好きだったふたりにとって、抹茶はコーヒーよりも刺激が少なく、カフェインの効果が緩やかに持続することも大きな魅力だったそうです。

多くのメディアが取材

 「ニューヨーカーたちに抹茶のよさを伝えたい」と、昨年ついに念願のカフェ「MATCHA BAR」をオープン。以来、ニューヨークタイムズ、ヴォーグ、ブルームバーグ・ビジネスウィーク、タイムアウトを始め、多くのメディアで取り上げられるようになりました。日本からもすでに、NHK、TBS、フジテレビが取材に来たそうです。毎月1回、茶道ワークショップを開くなど、ニューヨーカーの啓蒙にも努めています。

当店のシグニチャー・ドリンク、フジアップル・ジンジャー抹茶。爽やかな味わいです
当店のシグニチャー・ドリンク、フジアップル・ジンジャー抹茶。爽やかな味わいです

 当店のシグニチャー・ドリンク(5.25ドル)は全部で7種類。フジアップル・ジンジャー抹茶、アイスピーチ抹茶、アイス抹茶アサイー、アイスミント抹茶レモネード、抹茶チャイラッテ、バニアラアーモンド抹茶ラテ、シナモンヘンプ抹茶ラテなど。クラシックドリンク(3.25~4.85ドル)は全6種類で、抹茶ショット、抹茶チーノ、抹茶ラテ、マキアートならぬマチアートなどがあります。缶入りの抹茶パウダー(30グラム入りで22ドル、プレミアムは30ドル)や、お茶をたてるための抹茶キット(50ドル)なども販売されています。

ヘルシーさにこだわった

 テースティングを重ねた末、愛知県西尾市の茶園から直輸入した高級抹茶を使用。フルーツのフレーバーを生かし、アメリカ人好みのテーストに仕上げています。抹茶の抗酸化力を減少させないよう、牛乳ではなく豆乳、アーモンドミルク、ヘンプミルクも選べるようにするなど、ヘルシーさへのこだわりも徹底しています。

店内の様子。抹茶ドリンクを買って行く人たちがひっきりなしでした
店内の様子。抹茶ドリンクを買って行く人たちがひっきりなしでした

 健康志向のニューヨーカーに抹茶が受け入れられるのは、ごく自然なこと。しかし、彼らは抹茶ドリンクをおいしいから飲むのであって、健康によいからという理由で飲んでいるのは、まだまだ少数派のような気がします。そんな中で、当店の抹茶ドリンクは伝統的な抹茶のよさを保ちながら、飲みやすい「Grab & Go (素早くつかんで、出かける)」スタイルにアレンジ。アメリカ人が抹茶を愛し、なおかつ、カジュアルに楽しめる時代がやって来ました。

ボトル入り抹茶ドリンクも発売へ

 5月15~17日にかけて、オーナーさんたちは東京に飛び、神宮前にあるカフェでポップアップ・イベントを開催。大いに盛り上がったそうです。今年の夏には、マンハッタンに2号店もオープン予定であること、そしてさらに、ボトル入りの抹茶ドリンクを発売予定であることも明かしてくれました。ニューヨークの抹茶ブームに、ますます拍車がかかりそうです。(ニューヨークから鹿目直子。写真も)

抹茶ドーナツやアップルマフィンなどのスイーツもあります
抹茶ドーナツやアップルマフィンなどのスイーツもあります