【仁川(韓国)16日=木下淳】「イラクのメッシ」を止めろ。初戦を快勝したU-21(21歳以下)日本代表は今日17日、1次リーグ第2戦で宿敵イラクと対戦する。この世代のアジア最強の呼び声が高いイラクには2連敗中。18歳で国際Aマッチ出場15試合を誇るMFフマム・タリクを封じるべく対策を練った。

 勝てば決勝トーナメント進出決定の可能性があるイラク戦で、日本が三度目の正直を果たす。13年のU-20W杯で4強入りしたイラクには、12年のU-19選手権、今年のU-22選手権ともに準々決勝で連敗した。さらに今回は、日本より上の23歳以下に加えA代表のエースFWマフムードもオーバーエージ枠で出場している。その中で、18歳にして攻撃の中心に据えられている男が「イラクのメッシ」の異名を取るフマムだ。

 現在はUAEのアルアハリに所属。「攻撃を絹のように滑らかにする」と言われ、12年に同国史上最年少の16歳でA代表入り。既にAマッチ15試合3得点を誇る。1月の対戦時は左膝の負傷でいなかったが、今回は万全の状態。14日のネパールとの初戦では、得点こそなかったものの主戦場の左サイドでの1対1に完勝し、4発快勝に貢献した。

 止めに行く日本でリベンジに燃えるのが、イラクに敗れた2戦とも出場していたDF山中亮輔(21=千葉)とMF矢島慎也(20=浦和)だ。山中は練習前に映像を分析し「縦に速いので意識したい」と覚悟。「同じ相手に3度も負けられない。五輪予選のことを考えると、ここで苦手意識を消したい」と意気込んだ。右ウイングとして今大会初先発が濃厚な矢島も、サイドでしのぎを削る準備はできている。

 14日の日本-クウェート戦を偵察したシャキル監督は「スペシャルな戦術を用意しているよ」と不敵に笑っていた。中東勢得意の情報戦なのか不明だが、いずれにしてもエースのフマムを止めなければならない。