川崎フロンターレFW小林悠(39)が23日、川崎市内のクラブハウスで会見を開き、2027年1月1日をもって現役を引退すると発表した。

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「自分はタイトルを取るためなら嫌われ者になってもいい」。17年、主将に就任した直後、小林は覚悟を決めたように言い切った。その言葉通り、練習から自身にも、チームメートにも「技術」「球際」「勝負」にこだわる姿勢を見せ、試合では最前線でチームを引っ張り得点を量産した。

一方、ピッチ外では「ポンコツ伝説」が尽きない。記者が今でも覚えている究極のエピソードは「電話番号間違い事件」だ。

連覇が目前に迫った18年11月。小林は柏レイソル戦で中山雄太(現レッドスター)と接触し、左眼窩底骨折で全治3週間のけがを負った。

中山は、東京五輪代表でともにプレーしていた板倉滉を通じ「謝罪をしたいので連絡先を教えてほしい」と連絡してきた。その際、小林は大きなミスを、“天然”でしてしまった。

「とんでもないミスを犯してしまって…。(板倉)滉に電話番号教えるじゃないですか。間違えて母ちゃんの番号教えちゃった。昔、親に電話していて親の番号を記憶していて…」 

小林の「天然ミス」を知る由もない中山は、小林の母に電話をしてしまったという。「悠は病院にいます」。事情を知らない母と中山の会話は、もちろんかみ合うはずもなかった。

小林が自身のミスを知ったのは、実際に中山が小林の連絡先にありつき、謝罪した時だった。最後に「悠さん、お母さんの方に先、電話をかけてしまって…。謝ってもらっていいですか」と言われ気づき「ゾッとしました」と振り返っていた。

ピッチでは頼れる主将でエース、ピッチ外ではちょっぴり抜けた愛されキャラ。チームメートにもサポーターにも愛された希有のストライカーだった。

【15~19年川崎F担当=岩田千代巳】