日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)は3日、東京・JFAハウスで八百長疑惑の告発状がスペイン・バレンシア裁判所によって受理されたことが確認できたとして、日本代表のハビエル・アギーレ監督(56=メキシコ)を解任することを発表した。18年W杯ロシア大会に向けたアジア予選を6月に控え、欧州で実績のある監督を中心に後任を選定することが分かった。近日中に開かれる技術委員会で協議し、3月下旬の親善試合までには決める方針だ。

 次期日本代表監督も外国人になる。実は、技術委員会は、非常事態に備え、就任可能な監督の人選を進めている。方向性は固まっており、欧州出身や欧州クラブで実績を残している監督を優先条件として人選を進めている。大仁会長は後任候補に触れ「3月の親善試合には間に合わせたい。そのために、この辺でいいだろうという決め方はしない。これから全力を挙げて探します」と話した。

 日本協会関係者は「世界的に名前が知られている監督が後任監督になる可能性が高い」と話した。アギーレ監督招聘(しょうへい)で失敗を味わった日本協会としては、日本のサッカーファン、スポンサー、選手を納得させるには、ビッグネームを招集する必要がある。しかし欧州は現在、シーズン真っ最中で、人選は難航する可能性がある。

 6月には、W杯アジア予選が始まる。予選本番まで、3月27日のチュニジア戦(大分)と同31日のウズベキスタン戦(東京)の2試合しかない。

 限られた時間の中では、Jリーグを経験した外国人監督や、日本代表を知り尽くした日本人監督の方が、より現実的ではあるが、岡田武史監督以来の日本人監督就任の可能性は極めて低い。霜田正浩技術委員長は「今現在、Jクラブと契約している人に声を掛けることはしません」と話した。日本人監督待望論がある一方で、現状では外国人監督になる公算が大きい。

 欧州リーグで実績を残したビッグネームが第1候補で、近日中に開かれる技術委員会で協議していく。ただ、その交渉がうまく進まない場合、鹿島でリーグ3連覇を含む6冠の実績を持つオリベイラ氏(64=現パルメイラス監督)と、元磐田監督でブラジル代表を02年W杯日韓大会で優勝に導いたスコラリ監督(66=現グレミオ)との交渉の余地も残す。

 今回の急な解任劇で、技術委員会も動揺は隠せない。日本協会にとって、6大会連続W杯出場は最大にして唯一のノルマと言える。再建への作業はこれから始まるが、いきなりいばらの道を突き付けられた。