サウジアラビア1部の強豪アル・ナスルが、浦和DF槙野智章(28)の獲得に動きだしていることが7日、分かった。日本の守備の柱に成長したDFを高く評価し、約5億円の年俸を用意しているという。槙野はJ1年間優勝を最優先し、浦和でのプレーに集中するとみられるが、現在の約9倍程度とみられる約5億円の年俸は期待の高さを示す破格の条件といえそうだ。

 アル・ナスルはサウジ1部で優勝8度の強豪。昨季は20勝4分け2敗で2連覇を達成した。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)は11年に初出場し16強、2度目の出場となった今季は1次リーグで敗退した。豊富な資金力があるとはいえ、用意した約5億円の年俸は並外れている。

 槙野は10-11年シーズンに広島からブンデスリーガのケルンに移籍した。この時は出場機会に恵まれなかったが、Jリーグに復帰した12年から浦和で大きく成長。今季は元日本代表の横浜DF栗原が「完全に化けた」と言うほど存在感を増した。3日のカンボジア戦(埼玉)前に左内転筋のケガで日本代表を離脱したが、ハリルホジッチ監督も、発表会見で「槙野は代表にふさわしい選手になった」「守備が丁寧」「人間性も素晴らしい」などと絶賛している。

 ◆アル・ナスル 1955年、サウジアラビアの首都リヤドに創設。チーム名のナスルはアラビア語で「勝利」を意味する。チームカラーは砂漠の色から「イエロー」。リーグ戦優勝回数はアル・ヒラルの13度に次ぐ、8度でアル・イテハドと並んでいる。本拠地は収容6万2685人のキング・ファハドスタジアム。ウルグアイ人のホルヘ・ダ・シルバ監督。