<ナビスコ杯:川崎F2-0横浜>◇2日◇準決勝第1戦◇等々力

 川崎Fが横浜に2-0で快勝し、07年以来3度目の決勝進出へ王手をかけた。4年目で公式戦初出場、初先発のGK杉山力裕(22)が、24本のシュートを浴びながら、好セーブ連発でチームを完封勝ちに導いた。日本代表欧州遠征で不在のGK川島の代役として、期待以上の活躍を見せた。準決勝第2戦は、6日に行われる。

 終了のホイッスルの中、杉山はピッチにうずくまった。「出られなかった4年間、支えてくれた家族や友達、日々の葛藤(かっとう)…いろいろなものがこみ上げて」。立ち上がると、先輩のDF森に頭をバンバンたたかれた。手荒い祝福にも、こぼれるのは笑みばかりだった。

 開始49秒、左クロスに反応したのが最初のプレーだった。ボールに触ったつもりはなかったがCKと判定されると、しっかり抗議した。直後のプレーも無難に切り抜けると、自分が冷静なのに気づいた。前半31、43分、後半9、24分など、度重なる横浜のミドルシュート攻撃を、抜群の反応で完ぺきにはじいた。

 8月27日の練習後、川島に焼き肉に連れて行ってもらった。「特に何も言われていないけれど、お互い感じ取ったものはあった」。川島は今、日本代表での定位置取りにすべてをかけている。チームでは守護神でも、代表ではベンチ外が続いた川島の背中を見続け、それを自分の姿に置き換え、腐らず練習を続けた成果を出した。

 母裕子さんと姉2人に前夜電話して、試合を見に来てもらった。「今まで何も言わず、自由にサッカーをやらせてくれた。感謝します」。杉山の目は潤んでいた。【村上幸将】