＜ソチ五輪：カーリング：日本９－７スイス＞◇女子１次リーグ◇１６日

　勝ちきれないムードを変えるためのオーダー変更が成功した。小野寺も復帰以来、調子が上がっていたし、前日のカナダ戦でもいい働きをしていた。それでも後がない状況で思い切った布陣にした。コーチ陣も悩んだろうが、日本に風を吹かせるため。結果的にセカンドに入った吉田が活躍した。ミスもあったが、いいショットも決めた。同い年の「小野寺の分も」という思いに、運も味方した。

　難しい条件だった。立ち上がりから観客の熱気で室温が上がり、氷が溶け出した。第３エンドから空調で冷やしたため、今度は氷がしまってストーンが滑らなくなった。欧州屈指のスイスのスキップ、オットでさえコンディションの変化に苦しんでいた。そんな中で日本は冷静に対応。スチールされた直後の第３エンドや３点をとられた後の第７エンドで２点を奪い、相手への流れを食い止めた。

　２大会ぶりのメダルを狙うスイスに勝ったのは大きい。全勝のカナダと６勝のスウェーデンが準決勝進出を決めたが、３位以下は混戦。３勝の日本にもチャンスはある。まずは苦手の中国に勝って５割に戻すこと。そうすればベスト４への道も開ける。（９８年長野五輪スキップ）