石川遼(17=パナソニック)が、今季海外メジャー最終戦・全米プロ選手権(8月13日開幕、ヘーゼルタイン・ナショナルGC)に出場する。12日、茨城県内のゴルフ場での練習ラウンド後、特別招待での出場が決まったことを発表した。17歳10カ月での出場は、21年大会のジーン・サラゼン(米国)の19歳6カ月を88年ぶりに塗り替える大会最年少出場記録。4月のマスターズに続くメジャー出場が決まり、6月の全米オープン、7月の全英オープンも予選会に出場予定。史上最年少での同一年「4大メジャー出場」の偉業達成も視野に入ってきた。

 今年2大会目のメジャーから声がかかった。この日の練習ラウンド後、石川は全米プロ出場を公表した。「少し前から出場できる可能性あると聞いていた。技術的に未熟でも自分の力をフルに出せれば戦えると思う。全力で頑張ります」と意気込みを口にした。

 大会を主催する全米プロゴルフ協会から、2月の米ツアーデビュー戦ノーザントラスト・オープン直後に、出場を打診された。予選敗退はしたが、通算2オーバーでカットラインまで3打差に迫った奮闘が評価された。「特別招待」は世界ランク100位前後の選手に可能性がある。石川は現在同85位。3月に正式なオファーがメールで届き、数日前にエントリー表が届いた。前夜に石川が英語で日付と署名した。返信すれば手続きは完了する。

 当初、父勝美氏(52)は実力的に出場すべきか迷ったという。4月のマスターズは予選落ちに終わり、帰国後も開幕3試合で結果を残せていない。だが、3日の中日クラウンズ最終日を見て、「パッティングに関して自分なりに勉強し始めている」(勝美氏)と出場を決断した。石川も「自分の中ではそろそろ良いゴルフできる感触がある」と自信をのぞかせた。

 17歳10カ月での出場は、21年に19歳6カ月で出場(マッチプレー方式で8強)したサラゼンの最年少出場記録を88年ぶりに塗り替える。全米プロはメジャーで唯一出場がプロに限られているだけにその意義は大きい。「(若くて)あいつもプロなのかという目で見られるかもしれない。でもコースに入れば年齢は関係ない」と力強く言った。

 他のメジャー大会は日本では地上波でテレビ中継されているが、全米プロはここ2年は放送がなかった。それだけに石川は「(01年に)片山さんが4位に入ったのもあまり覚えていない。他のメジャーに比べ未知の世界です」と警戒した。現段階では米ツアー出場を経て臨んだマスターズと違い、1大会だけの渡米になりそう。

 今回の出場決定で、史上最年少の17歳での年間メジャー4大会出場も現実味を帯びてきた。6月の全米オープンには今月25日の予選会を突破すれば出場できる。出場枠は3、4人となる見通し。7月の全英オープンも、6月ミズノオープン上位4人以上などの条件で門戸が開く。「1年で4つもメジャーに出場することがどれだけすごいことか、プロ2年目の僕でもわかる。チャンスを生かしていきたい。可能性ある限りは目指していきたい」と夢を膨らませた。【阿部健吾】