石川遼(17=パナソニック)が4日、全英オープン(16日開幕、ターンベリー)に向けた「予行演習」を行った。日本では数少ない本格的リンクスの茨城・古河ゴルフリンクスで、特有の風や距離感を体感しながら9ホールをプレー。同コースでは通算300ラウンド以上を重ねており、英国のリンクス(海沿いのコース)との共通点も多いことから、自信の源になっている。持ち前の高い球で攻めて、「これでいい流れで(全英に)挑める」と手応えをつかんでいた。

 自分を育ててくれたコースで、石川が全英オープンへ絶好の調整を行った。「(本場の)リンクスで戦う前にプレーできて、気合が入る良い内容。モチベーションも上がった」。夏仕様に短く刈り込んだ新ヘアスタイルで現れ、特有の風が吹く中で、しっかりとドライバーからアプローチまで感触を確かめた。

 風の影響を受ける全英では低い球が有効といわれるが、この日も石川は持ち前の高い球。「芯に当たれば重い球は出る」と事前に宣言していた通り、自分流を貫いた。

 自信の裏付けはここで培った経験だ。古河ゴルフリンクスは、小2から中3まで300ラウンド以上回ったホームコース。この日はプロ転向後初、約2年ぶりのプレーだった。リンクス最大の特徴は木が少なく、風が一方向にしか吹かないこと。同コースも強風が常で、冬は風速十数メートルの風で、人が立っていられないほどだという。そんな環境で技術を磨いた自負があるからこそ、英国でも自分のスタイルを変える必要はないと言い切れるのだ。風が回るマスターズのような林間コースに比べ、「自分で感じる風と、上空の風が一緒。イメージしやすく、やりやすい」とも話した。

 リンクスのもう1つの課題は距離感だ。高い木がなくて真っ平らに見え、色彩的にもメリハリがなく、ショットで目標物がないからだ。全英オープン出場9回でうち7位が3回の青木功は、大会前は河川敷コースで特訓を積んだという。石川には子供のころから体に染み付いた感覚がある。「体で風を感じて、距離感も合わせられる。視覚的な違和感なく、スコットランドでもプレーできる」と手応えを隠さない。

 この日、9ホールで約50個あるというバンカーには1度も入れなかった。風対応と距離感がかみ合っている証しだ。

 先週のミズノオープンよみうりクラシック優勝で全英切符をつかんだ。「ゴルフの調子自体も絶好調。良い流れで挑める。すごく楽しみ。早く行きたい」。石川は「仮想全英」でイメージを膨らませ、自分への期待感にあふれていた。【阿部健吾】