石川遼(18=パナソニック)が自らビデオに出演して、ギャラリーに観戦マナーを守るように促す。先週の日本オープンでの携帯電話による写真撮影行為など、頻発するギャラリーのマナー違反行為を受けて、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の山中博史専務理事(46)は20日、選手らが出演する「マナー啓蒙(けいもう)ビデオ」を制作することを明らかにした。この日、22日開幕のブリヂストンオープン会場(千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C)で開かれた選手会ミーティングで選手らに協力を要請した。石川は「もちろん」と出演を快諾。早ければ11月にも会場などでビデオが流される。

 カメラ付き携帯での撮影など、頻発するマナー違反行為にJGTOが迅速に対応する。山中専務理事は「啓蒙ビデオをつくるため、金曜日(23日)にも制作会議をします。選手に出演してもらうのが一番効果がある。協力してもらえることになりました。早急に対応したい」と話した。

 JGTOでは19日の緊急協議でビデオの制作を決定。この日の選手会ミーティングで選手に出演協力を要請して賛同を得た。「もちろん!

 お願いされるまでもないですよ。率先してやりたい。僕だけの問題じゃない」と石川も快く了承した。宮本勝昌選手会長らと出演することになりそう。

 「石川人気」でゴルフへの注目度が高まり、昨年の同時期と比較して今年のギャラリー数は約8万人も増えた。同時にマナー違反も急増。9月のパナソニックオープンでは石川のラウンド中に携帯電話などで撮影したり、体に触れる人が続出した。先週の日本オープン最終日では、6番ホールでカメラ音を気にした石川が、ダブルボギーをたたく場面もあった。

 制作したビデオは早ければ11月から会場内のモニターで流す予定だが、専務理事は「大会ウェブサイトやテレビ局に協力していただけるなら、中継内で呼び掛けたい」と私案を話した。

 今週のブリヂストンオープンでは、ギャラリーに撮影が許可されている21日の練習ラウンドで、観戦マナーを訴えるビラを3000枚配布。さらに大会期間中のために同ビラ3万6000枚を緊急に準備した。来週のマイナビABC選手権の会場では、持ち物検査も行う予定。今後も継続課題だが、石川は「根気強くやっていくことが近道だと思う」とこれからの対策に期待を寄せた。【阿部健吾】