18歳の賞金王が「町おこし」の顔になる。石川遼(18=パナソニック)が16日、4日間のスキー合宿のために初訪問した新潟県湯沢町で異例の大歓迎を受けた。同町では石川の合宿に備えて、冬季閉鎖される合宿地ゴールド越後湯沢CCまでの約4キロの道を、除雪車2台で除雪して開通させ、同ゴルフ場の雪を3日間かけて整地してクロカン用特別コースを設置。この日、会場には町長まで駆けつけた。約20年間でスキー客が半減した同町では、史上最年少賞金王を町おこしの新たな起爆剤として期待。石川も湯沢町を今後も「冬の拠点」にすることを明言した。

 連日の豪雪で湯沢町は3メートルの積雪に見舞われた。この日も雪が降り続いた。しかし、石川の合宿スケジュールに変更はなかった。初日から2・5キロのクロカンコースを、地元の小学生20人と一緒にスキーを滑らせて、3周した。「十分すぎるコースだった。あと倍くらい滑りたかった」と充実した顔で話した。

 湯沢町が町を挙げて、石川の4日間のスキー合宿をサポートした。11月下旬から4月下旬まで雪で閉場されるゴールド越後湯沢CCにクロカンコースを特設した。12日から3日間かけて圧雪車で雪を固め、1周2・5キロのコースを設営。さらに約60万円かけて、除雪車2台を投入して、冬季閉鎖される同ゴルフ場へ向かう約4キロの道路を除雪した。JR越後湯沢駅には「歓迎

 石川遼選手」の垂れ幕が掲げられ、同ゴルフ場には上村清隆町長(63)も花束を持って駆けつけた。

 異例の歓迎ぶりには理由がある。湯沢町は町内に13のスキー場を持つ「スキーの町」。だが、観光客は年間1000万人(うちスキー客800万人)だった92年をピークに下がり続け、昨年は500万人(スキー客300万人)まで落ち込んだ。復興の起爆剤を模索しているときに、石川が「冬の拠点」として湯沢町を選んだ。18歳の賞金王の人気と知名度は町にとっても魅力的だった。「スキーが下火になっている。石川選手が来ていただくことで、観光客が増えて欲しいです」と上村町長は話す。

 冬の合宿で石川は長野県白馬や、栃木県鬼怒川高原などを転々としていた。積雪地で交通の便のいい拠点を探していたところ、湯沢町を見つけた。父勝美氏(53)が昨年9月に同町内に記念館付きの宿泊施設「リスの家」をオープンさせ、自分たちも泊まれる施設も完成させた。この日、石川も「毎年お世話になる方向で考えています。『ここで合宿すると次のシーズンは成績がいい』、そうなればという感じです」と明言した。

 現在、町内にクロカン専用コースはないが、町では石川が利用した今回のコースを、一般にも開放することも計画している。「体を動かす、健康に良いという面をアピールできれば、スキーをする人以外にも来てくれるかもしれない」と上村町長。さらに「リスの家」をバスツアーの観光スポットに加えることも思案中だという。ふだんから「日本を元気にしたい」と話している18歳の賞金王が、ゴルフだけではなく、町の活性化にも一役買いそうだ。【阿部健吾】