強気のパットで、伝説の「58」を超える!

 石川遼(19=パナソニック)が26日午後、中日クラウンズ(28日開幕)出場に向け、会場の愛知・名古屋GC和合C入り。約1時間パットやアプローチの練習を行った。昨年の同大会では世界新の58を最終日にマークし逆転優勝したが、本人は18番でショートさせたバーディーパットの「リベンジ」を最大のテーマに掲げ、前回を超える内容での連覇を狙う。

 「58」をマークした和合Cに、1年ぶりに戻った石川は練習グリーンに直行した。ボール1個分の間隔に立てたティーの間を狙って、ひたすらにボールを転がした。

 取材にも真っ先に「パターのフェースの動きが少し悪かった。開いてボールに当たっていたので、調整しました。ぜひバコバコ入るようにしたい」と、パットについて語った。

 こだわるのには理由がある。昨年最終日、バーディーラッシュを演じながら、18番で3メートルのパットをショートした。「あの日は1つもショートさせないのが目標でした。今も最後にショートした悔しさの方が強い。1年たって、18番でどれだけ強くパットを打てるかです」。1年後のこの日も、ギネス認定された記録的スコアより、忘れられない悔しさをにじませた。

 「忘れ物」を取り返すために、開幕からパットの改造に取り組んできた。「今までのジャストタッチではなく、いつも50センチオーバーさせるように打っている。その分曲がり幅を少なくラインを読む練習もしてきた」。18番以外でも3メートルのパットを強く打つことにこだわる。「パー4ではドライバーで距離を稼ぎ、できるだけサンドウエッジでピンを狙えるところまで運ぶ。そして3メートル以内につけることです」と攻略のポイントを語った。

 「去年の最終日の1打1打は、気持ちいいくらい全部覚えている。でも全く新しい気持ちでやるつもり」。過去の自分を超えるため、石川が最終日18番のカップに、2年越しのバーディーパットをたたきこむ。【塩畑大輔】