<米男子ゴルフ:トラベラーズ選手権>◇初日◇21日◇米コネチカット州TPCリバーハイランズ(6841ヤード、パー70)◇賞金総額600万ドル(約4億8000万円)優勝108万ドル(約8640万円)

 石川遼(20=パナソニック)が幸運を生かせず、121位と出遅れた。序盤の13番パー5で第1打を大きく左に曲げ、OBゾーンに打ち込んだが、線路で跳ねてカムバック。ところが、第2打を池に落として初ボギーとなった。流れを切り、首位と10打差の4オーバーで74。昨年大会Vスコアが通算20アンダーの“バーディー合戦”に出遅れ、予選通過が危ぶまれる初日となった。今田竜二(35)も121位と出遅れた。

 まるでピンボールのように、石川のボールが2回跳ねた。インスタート、1アンダーで迎えた序盤13番パー5(523ヤード)。ドライバーショットは左へ。まずカート道で「コーン!」。そのままOBゾーンに飛び込んだが、今度はコース脇を走る線路に「コーン!」と当たって、左ラフまで戻ってきた。しかも結果的に大きく距離を稼ぎ、355ヤードのビッグドライブとなって、一転してイーグルも狙える大チャンス。

 ところが、第2打でミスをした。残り165ヤード、クラブは9番アイアン。ライは良くないとはいえ、ピンをデッドに攻めたボールはグリーン手前の池に消えた。

 「フライヤー(スピンがかからず球が飛びすぎる現象)を計算したけど、しなかった。ほんの少し、当たり方の問題なんですが…」。ラッキーを生かせず、ボギーとしたミスで、流れを引き寄せられなかった。

 1バーディー、5ボギーの74で121位。過去に3ケタ順位発進の米ツアー競技で、予選通過はない。自身初の米ツアー5連戦の最終戦で今遠征の第1目標である米ツアーシード確定へ。現在の獲得賞金79万ドル弱から、目安という「90万ドル」に近づけるためにも「何とか4日間、やりたい」と巻き返しに意欲を見せていた。【加藤裕一】