大江香織(25=アルパイン)が通算10アンダー134で首位に立った。14位から出て8バーディー、1ボギーの65の猛チャージ。12年フジサンケイ・レディース以来のツアー2勝目のチャンスをつかんだ。

 大江は1番で3メートルを決めると、3番では6メートル、8番では8メートルとバーディーパットを次々と沈めた。「ここのグリーンは合っている気がする。読みが当たっています」。ストロークには自信があるだけに、ラインが読めればこっちのもの。コースが短く、バーディー合戦の展開の中、単独首位に抜け出した。

 イップスに悩んでいた19歳の時に長尺パターと出合い、以来愛用。来年から長尺パターを体に固定して打つ「アンカリング」が禁止となるが、「何とかなるだろう」と現段階で対策はなし。前週に来年を見据えて長尺から短尺にした吉田が優勝したことにも「(吉田は)長いのも短いのもうまいから」と、意に介さないマイペース派だ。

 4週前からは「カップとボールのラインのイメージが出にくく、前傾した方がいいと思い」通常の長尺より少し短く、6番アイアンと同じ長さのものに替え、これも奏功している。

 最終日に向け「優勝は意識しないで」と話し、自称「欲のない方」とも。初優勝時は最終ホールをダブルボギーとしており、2勝目へのイメージを問われると「特にないです。勝てれば何でもいいです」。勝負師魂がチラリとのぞいた。【岡田美奈】