米証券取引委員会(SEC)は19日、フィル・ミケルソン(45)に対し、知人のインサイダー株式取引に絡んで得た不当な利益を国庫に全額返納するよう求めた。ミケルソン自身はインサイダー情報を知らなかったとして、訴追は見送った。

 SECによると、ミケルソンの知人が2012年に食品会社の元会長と共謀して、この会社の株式でインサイダー取引を実行。ミケルソンは知人に勧められて株を売買し、少なくとも93万1000ドル(約1億円)の利益を得た。ミケルソンは返納に同意したという。

 知人は元会長から決算内容や会社分割の情報を事前に入手し、株式を不正売買しており、元会長とともに訴追された。

 知人はスポーツ賭博で生計を立てている人物。ミケルソンは知人に対する賭博絡みの借金を株売買で得た利益で返済していた。

 ミケルソンは1992年のプロ転向後、米ツアー通算42勝を挙げている。3度のマスターズ制覇を含めメジャー大会で5勝し、2011年に世界ゴルフ殿堂入りした。