岡山・京山中3年のアマチュア三田(さんだ)真弘(神有CC)が「14歳51日」で、ツアー史上2番目の年少予選通過を決めた。4アンダー2位発進の三田は、いきなり4連続ボギーで貯金を吐き出し絶体絶命のピンチを迎えたが、耐えに耐えて75。通算イーブンパー142の16位とし、次は史上最年少トップ10を視界に入れた。

 最後は、自画自賛のショットで締めた。最終18番パー3。三田はグリーン右奥ラフから15ヤード先のピンへ、フワリと高い球を出した。60センチにつける満点ロブショット。「2日間で、一番いいアプローチができました」。ツアー3戦目で初の予選通過を史上2番目の年少記録で決め、笑みがこぼれた。

 最終的には余裕の16位。しかし「14歳51日」の序盤は、崖っぷちまで追い込まれた。スタート1番からの4連続ボギー。「アドレナリンが出たのか、アイアンがいつもより1番手以上飛んでしまって…」。すべてパーオンに失敗し、前日の4アンダーの貯金を一気に吐き出した。

 首位と1打差2位発進。級友やジュニア仲間から10通以上、メールが届いた。前日は数人だったギャラリーが、この日のスタート時には約50人もいた。声援を送ってくれるのだが…。「うれしいんですが、少しプレッシャーもありました」。未経験の重圧に、14歳は押しつぶされかけた。

 5番パー5が転機だった。技術的には「番手を落として対応した」と、4メートルのチャンスから楽々パーとし、力みが取れた。5~6番だけ地形の関係で、ギャラリー観戦ができないエリアだったことも幸いした。無人の場所で、いつもの自分を取り戻した。

 耐えてしのいで予選をクリアし、ツアー史上最年少トップ10を狙う権利を得た。「1番の目標の予選通過ができました。あとは自分のプレーをしたいです」。極端な内股のアドレス。独学で作り上げたスイングで、三田が残り2日を満喫する。【加藤裕一】

 ◆三田真弘(さんだ・まひろ)2002年(平14)3月30日、岡山市生まれ。ゴルフは3歳からで独学を貫く。昨年に日本ジュニア(12~14歳の部)9位、日本アマ出場。14年カシオワールドで「史上初の21世紀生まれの選手」としてツアー初出場。176センチ、75キロ。

 ◆男子ツアー最年少トップ10 三田が最終日「14歳53日」で10位内に入れば、伊藤涼太の「15歳56日」(05年KBCオーガスタ6位)を更新する最年少記録。優勝すれば石川遼の「15歳245日」を更新する最年少優勝に。三田の予選通過は、伊藤誠道の「14歳21日」(09年KBCオーガスタ)に次ぐ史上2番目の年少記録。