今季メジャー最終戦・全米プロが開幕した。日本男子初のメジャー優勝を狙う松山英樹(24=LEXUS)は3バーディー2ボギーの1アンダーで第1ラウンドを終えた。直近のメジャー2戦連続予選落ちにより、米ツアーの優勝候補予想「パワーランク」では全英オープンに続いてリスト20人の圏外へ。また午後組となる第2日は高確率の雷雨予報が出ているが、ゴルフの中身は逆境をはね返すものだった。

 ようやく来た。17番パー5。残り60ヤードからの第3打はピンそば1・5メートルにピタリ。難なく決めて初のバーディーを奪った。続く18番パー5はさらにすごく、第2打を約3メートルに。イーグルパットは外れたものの連続バーディー。たった2つしかないパー5でともにバーディーを奪い、1アンダーでハーフターンした。

 逆境をはねのける戦いの舞台は快晴微風。現地時間午前7時20分のスタートは、爽やかな絶好のコンディション。米ツアーは各大会ごとに公式ホームページで「パワーランク」として優勝の有力候補20人を順位付けしてアップする。メジャーでは今年6月の全米オープンまで9大会連続でランクインする常連だった松山だが、全英オープンに続き、そのV予想から外れた。連続予選落ちが影響しているのは間違いない。

 第2日以降、サンダーストーム(雷雨)の予報が続くだけにコンディションの良い時にスコアを伸ばしておきたい。開幕前日の27日は金庚泰、宋永漢とイン9ホールを回り、調整を終えた。ドライバーはほぼフェアウエーに、アイアンも高い確率でグリーンを捉えた。最近の不調の原因ともなっているショットは、一夜明けても好調を持続。だが今度はパットが決まらない。

 スタートから5連続でバーディーパットが外れ、12番では5メートルから3パットのボギー。13番で2メートルのバーディーパットを外した時はイヤなムードに包まれた。ただそんな空気も17番のバーディーで一掃。3番では6メートルを見事に読んでスコアを伸ばした。

 5月に替えたアイアンを、7位に入ったマスターズで使っていたものに戻した。巻き返しへ、打つべき手は打った。「たまたま予選落ちしたわけじゃなく、なるべくしてそうなったと思う。気持ちを切り替えて頑張りたい」。その後7番でボギーをたたいてしまったが、当然のようにメジャー制覇を狙う本来の姿をすっかり取り戻していた。【加藤裕一】