14年大会優勝者の小田龍一(39=Misumi)が2年ぶりの優勝へ、首位と3打差の好位置で決勝ラウンド進出を決めた。

 スタート1番パー4は第1打を曲げてボギーとなったが、その後は4バーディー。2日連続の60台は申し分ないスコアメークだが、表情は暗い。

 「ショットの不安は昨日と一緒です。運がいいのと、パットが入ってくれてるだけですよ」。バーディー締めの18番パー5はバンカーからの第2打が木の枝をかすめたものの、うまく花道まで転がった。ピンまで45ヤードのアプローチは「やったことがなかった」というピッチングウエッジでの転がしがうまくチャンスについた。3メートル前後のパーパットが5、6回あって全部入った。…小田の説明には「偶然」「たまたま」ばかりがくっつく。

 しかし、14年大会は、09年日本オープン優勝による5年シード喪失直前の大逆転劇だった。今回もシード喪失の危機。崖っぷちでの粘り強さには定評がある。「あの時は今ほど悩んでなかったので…気持ちだけでも強く持ちたいけど、自信がなくて…」。とことん後ろ向きのベテランだが、再び大逆転のチャンスであることは間違いない。