世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算2オーバーの146で首位と6打差の16位に浮上して決勝ラウンドに進んだ。

 4オーバーの54位と予選通過圏外からのスタートにも「いいプレーをすれば通るとも思いますし、悪かったら通らないだけ」と肝が据わっていた。2バーディーを先行させて迎えた7番。ティーショットを右に曲げ、第2打が木を直撃して戻ってくるトラブル。このホール連日のダブルボギーとなったが、崩れなかった。直後の8番でバーディー、10番でも4メートルのバーディーパットを沈め「やっぱり状態が悪いので、無理をしたくなるところで昨日同様、ミスが出ている。でも、今日は8番、10番が取れたので、流れよくプレーできた」とうなずいた。

 ティーショットがフェアウエーを外した17、18番でも底力を発揮した。17番はグリーン右奥のラフから60ヤードを寄せてパーセーブ。18番も第3打でグリーン奥から段を下るアプローチを強いられたが、ピンよりもはるかに左へ打ち出したボールはスライスラインに乗って弧を描き、もう少しでカップインというスーパーショット。傾斜を巧みに利用して目の肥えたパトロンを熱狂させ「ああいう寄せ方しかないと思っているので。何回も映像も見ていますし、練習ラウンドをしても、あの寄せ方しかないんで」と涼しい顔で言った。

 11打あった首位との差は6打に縮まった。射程圏内かと問われ「まあ、そうですね」。さらに続けた。「今日とか昨日くらい風が吹けば、我慢していればチャンスがあるかもしれないですけど、明日、明後日は風が吹かない(予報な)ので、我慢しているだけじゃ、チャンスはないと思います。相手は左右できないので、自分が頑張るだけだと思います」。ホールアウトした時には午後7時を過ぎていたが、当たり前のように練習場へ直行した。松山を除く日本勢は予選落ち。メジャー制覇の悲願は、やはりこの男に託された。