成田美寿々(26=オンワードホールディングス)が逆転で今季3勝目、ツアー通算11勝目を挙げた。2打差6位から6バーディー、2ボギーの68で回り、通算8アンダーで首位発進のアン・ソンジュ(韓国)を1打差上回った。

最終組が伸び悩む中、成田が猛チャージをかけた。出だしから連続バーディーで波に乗ると、6つのバーディーで首位のアンを一時逆転。8アンダーで並んだ最終18番で、アンがパーパットを外し、優勝が決まった。これで11勝中、7勝が逆転勝ちと「逆転の成田」の本領を発揮した。

「2打差だったので序盤から優勝争いだけ考えていた。久々に自分が思った球を打てている感覚があって、楽しく回れた」と笑顔で話した。前週に韓国で行われた国別対抗戦で、米ツアーのトップ選手との実力差を思い知らされた。「東京オリンピックに間に合うのか、不安いっぱいだったが、この勝利で自信を回復した」という。

2勝目を挙げた後、7月以降に調子を崩し、巨人高橋由伸監督の現役時代のトレーナーを務めていた安福一貴氏(42)に初めてキャディーを頼んだ。安福氏から主に右肩の使い方の指導を受け、スムーズにスイングができるようになった。

優勝が決まると、親交がありこの日の公演で引退する宝塚花組の天真みちるさんにささげる「花組ポーズ」を決めた。9690万8633円で賞金ランク4位に浮上し「目標の年間5勝にあと2勝。とりあえず1億円プレーヤーになりたい」と、貪欲に思いを語った。【桝田朗】