菊地絵理香(30=オンワードホールディングス)が、大逆転での今季初優勝へ首位と5打差2位に浮上した。17位から出て1イーグル、4バーディー、1ボギーの67で回り通算9アンダーの207。13番パー4で第2打を直接カップに沈めると、パターもさえた。11番で8メートル、16番でも7メートルのバーディーパットを入れ、生涯獲得賞金10億円突破がかかる首位アン・ソンジュ(31=韓国)に食らいついた。

時折、強風が吹くコースで、円熟味を増した菊地が首位を追い続けた。2番で6メートル、3番で4メートルのバーディーパットを沈めると、11番では8メートルを入れた。最大の見せ場は13番パー4。残り133ヤードの第2打を9番アイアンで放つと、ボールは直接カップへ。「なんとなく入るのは見えました。ショットの感触が良くて、ミドルパットも入ってくれた。納得のゴルフです」。首位と5打差に広がる2位でも、満足感があった。

過去8度の出場でトップ10はなく3度の予選落ち。「苦手なんです。でも今年は苦手なコースが案外いい」と打ち明けた。菊地は球が左へ軌道を描くドローヒッター。今大会は左のラフが浅いため「ラッキー。左にいってもOKになる」と言いつつも「あっ(首位の)アンちゃんもドロー系だ。たぶん逃げられる」と自虐的に笑った。休日は自宅から出ず、一日中録画したドラマを見続けるインドア派。「この調子で明日も臨みたい」。昨年3月以来のツアー4勝目へ。あきらめず、食らいつく。【益子浩一】