杉原輝雄さんが死去した28日、同じプロゴルファーで長男の杉原敏一さん(47)が大阪府内にある父の自宅前で報道陣の取材に応じ「ゴルフの思い出が言葉にできないぐらいたくさんある。見ていてほしい人がいなくなった」としのんだ。

 子どものころから英才教育を施され、親子というよりも師弟の関係で「大先輩とお付き合いしている感じ」と振り返る。プロデビュー戦で選手全員にあいさつするよう厳命され「ゴルフにならなかった」と苦笑いするように、プレー以前に礼儀を重んじる気遣いの人だった。

 がんが見つかっても現役にこだわり続けた父の容体が悪化し始めたのは今春。入退院を繰り返し、食事などの世話をする時間が増えていった。「不思議なもので、こっちの方がお父さんという感じ」。臨終までの数カ月、親子として時間を共有した。

 最後は苦しむことなく安らかに息を引き取ったという。「楽になってよかった。長く頑張ってきたので、お疲れさまとしか言えない」と、ねぎらった。