<男子ゴルフ:長嶋茂雄招待セガサミー杯>◇3日目◇26日◇北海道・ザ・ノースカントリーGC(7115ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 プロ12年目のすし石垣(34=ゴルフパートナー)がツアー初勝利に王手をかけた。69で回って通算11アンダーの205で単独首位に立った。派手なパフォーマンスと珍妙な名前でツアーの人気者だが、今大会は悲しみをこらえての参戦。24日に高校時代の恩師が交通事故で亡くなった。生前の恩に報いるためにも、チャンスは逃さない。34位スタートの石川遼(16)は通算4アンダーとスコアを2つ伸ばし、23位に上がった。

 最終18番パー5、すしの7メートルのバーディーパットはカップの前で1度止まり、次の瞬間消えた。会心のフィニッシュに腰をくねくねさせる「すしダンス」を披露。「最近、ラウンド途中にやるといいことない。ま、最終組だったし、だれにも迷惑はかからないので」。おなじみのニッカーボッカースタイルで、主役に躍り出た。

 その笑顔の裏には悲しみが隠されていた。24日午後2時ごろ、埼玉県杉戸町の町道で、県立高校体育科教諭の佐藤明広さん(49)が交通事故で死亡した。佐藤さんはすしが蕨高2、3年時に所属していた硬式野球部の監督。人生の師でもあった。「先生が僕のことを『石垣の集中力はすごい』と評したことが紙面に載ったことがある。今でも忘れられない」と言う。訃報(ふほう)が届いたのは2日目のラウンド終了後だった。

 先生のためにも負けられない。今、すしを支えているのはこれだ。この日はダブルボギーもたたいたが、1イーグル、5バーディーと爆発して3日連続の60台。「最後のバーディーパットも先生の力があったんじゃないかと思う」としみじみ話した。「プレッシャーに打ち勝つのは先生の言う通り、やはり集中力だと思う」。

 最終日最終組は07年ANAオープン以来、2回目。その時は首位タイで迎えたが、75をたたいて19位に終わった。今季はこれまで9戦して予選落ち7試合。佐藤さんは生前「いいかげんに優勝しろ」「ちゃんとオレのいうことを聞いているか」とハッパをかけ続けてきた。今度こそ、その言葉に報いる。【三角和男】