<男子ゴルフ:キヤノンオープン>◇初日◇9日◇神奈川・戸塚CC西C(7167ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 ジャイアンツに続くぞ!!

 石川遼(17=パナソニック)が、イーブンパー72で首位に5打差の34位で発進した。最近3試合連続予選落ちだったが、この日は持ち前のドライバー平均飛距離で全選手中2位(299・5ヤード)と復調してきた。前夜8日には、大ファンの巨人が阪神との最大13ゲーム差を逆転して優勝マジック初点灯。これを発奮材料に、逆襲を目指す。

 前日は巨人カラーのオレンジを着た遼クンが、この日はシマ模様シャツに黄色パンツと、なぜか「猛虎ファッション」。帰り際には思わず話がプロ野球に及んだ。「巨人、すごいですよね。誰もが『今年は阪神しかない』と思っていたのに」。前夜のセ・リーグ天王山決戦を、マッサージを受けながら見て、感動した。それを初日のスコアにはつなげられなかったが、「巨人の13ゲーム差に比べれば…」とポツリ。首位から5打差発進で、あきらめるわけにはいかない。

 ゴルフの内容は、確実に上向いている。スタートの10番パー4で第2打を40センチにつけて、バーディーを奪った。微妙なパットは入らなかったが、ショットは安定していた。今季これまで10位(292・18ヤード)のドライバー飛距離が、この日は1位H・リー(300ヤード)にわずか0・5ヤード差の2位。「うれしいですね。調子が上がって、振り切れるようになった証拠ですから」と喜んだ。4個のパー5で3バーディー。残り30~50ヤードからウエッジを短く持ったコントロールショットもさえた。

 3試合連続予選落ちのショックも和らいだ。ピンチの時は、ヤーデージブックの背表紙に書き込んだ「自信を持ちなさい」の一文を読み返して、自分を鼓舞した。練習日に、昨季賞金王の谷口徹からもらった言葉だ。「今日は1番からピンの奥にしっかり打っていけた。明日はしびれる位置からのスタートだけど、今日のゴルフができれば」。大逆転でツアー最年少優勝を果たした昨年5月の「奇跡」の再現も夢ではない。【大石健司】