遼クン専用練習場は「仮想オーガスタ」
石川遼(17=パナソニック)の私設練習場が「仮想オーガスタ」になる。現在、埼玉・松伏町(まつぶしまち)の自宅近くに練習用のゴルフ施設を建設中。そこにマスターズの舞台であるオーガスタ・ナショナルGCと同じグリーンの芝、バンカーの砂を導入する構想が10日、明らかになった。いわゆる「ガラスのグリーン」の再現を目指し、施設は来春完成予定。「マスターズ優勝」を将来の夢に掲げる石川にとっては、絶好の「予行演習場」となる。
石川の新練習拠点は、まさにマスターズ制覇に向けた前線基地になろうとしている。自宅から自転車で10分ほどの場所に、来春の完成を目指してゴルフ施設を建設中。既にトレーニング室は出来上がりつつある。ここにオーガスタと同じ芝と砂を持ち込み、超高速グリーンと砂が細かくて難しいバンカーを「再現」させる構想が持ち上がった。
オーガスタのグリーンは「ガラスのグリーン」と呼ばれ、日本ではなかなか体感できない速さと難しさを持つ。マスターズ制覇にはグリーン攻略は必須。そこで「芝は、どうせだったらオーガスタと同じ芝を用意しようということなった」(石川の関係者)。「ペンA2」という希少価値が高いベント芝で、日本のゴルフ場で使用しているところはごくわずかだ。基礎造成段階で芝目のテストは終わっており、春先に種をまく段階となっている。
さらに「バンカー対策」も練っている。コーチである父勝美氏(52)は「当初予定になかったが、マスターズと同じ砂が用意されると聞きました」と明かす。バンカーは4つ以上設け、日本の砂と、海外で使用されている砂を入れ分ける。その中の1つがオーガスタと同じ砂になるという案。バンカーの1つで試打をした勝美氏は「難しくて出なかった」と話すように、バンカーショット上達に直結する難しい砂ばかりが選ばれるもようだ。
30年以上ゴルフ場の砂を取り扱い、約20年前にオーガスタと同じ砂を輸入した川崎臨港石材(本社横浜市)の中村雅夫氏によると、その砂は「おそらくオーストラリア産で」真っ白で粒子が細かく、ボールが「目玉」になりやすい。「個人で輸入するというのは聞いたことがない。現状では手に入れるのは無理だと思うが、石川選手ほどのプレーヤーならば」と話した。細かい白砂は、日本のゴルフ場であまり使われていない。
マスターズ初出場時は、どんな選手でもその「非日常的コース」に戸惑いがちだ。近い将来の“オーガスタ・デビュー”に向けて、少しでも「疑似体験」しておくのは有効。それが本物と同じ芝と砂ならば、よりイメージを体に染みこませることができる。
練習場の「オーガスタ化計画」について石川は「楽しみですね。今までバンカーの練習はあまりしていない。難しいでしょうね」と完成を心待ちにしている。特別招待枠などによる出場の可能性を残す来年のマスターズには間に合わないかもしれないが、再来年への準備には十分に効果を発揮しそう。「焦らないで待ちます」と石川。夢の実現に向けて、大きな後押しを得たのは間違いない。【阿部健吾】
[2008年12月11日9時4分 紙面から]
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