矢野東(32=フリー)が6日、「二日酔い」状態で全英オープンに向け成田空港から出国した。この日が誕生日で、5日は谷原秀人、スキーの皆川賢太郎ら友人40人に祝ってもらった。昨季から酒を控え、肉体改造に成功しているが、この日ばかりは、みんなでシャンパン20本を開けるほど痛飲。足取りも重く「最後はケーキが飛び交っていて。息が酒臭いですね、すいません」と充血した目で苦笑いした。

 それでも、話が全英に及ぶと真顔になった。6月全米オープンでは27位も、第2ラウンド終了時には4位と大健闘。「全米で手応えをつかんだ。あの結果で、メジャーに出る以上は優勝しないと満足できないと思った」という。予選落ちの昨年を教訓に「出場する日本人で、僕が一番準備している」と半年前から準備も進めた。防寒対策でベスト、Vネックなど9タイプのカシミヤセーターを特注。クラブも20本持参し、風対策で低い球を打つ2番アイアンや、特製ウエッジもそろえた。

 渡英後は、全英の前週のスコティッシュ・オープンにも出場し、時差ぼけ調整にも万全を期す。英国では酒は飲まないという。「日本の皆さんの期待もある。自分も期待している」。次に口にするお酒は、勝利の美酒以外ない。【阿部健吾】