<米女子ゴルフ:全英リコー女子オープン>◇初日◇30日◇英・ロイヤルリザム・アンド・セントアンズGC(パー72、6492ヤード)

 【ブラックプール(英国)=木村有三】初のメジャー制覇を狙う宮里藍(24=サントリー)は、4バーディー、7ボギーの3オーバー75で初日を終えた。強風の中、1番から3連続ボギーと苦しいスタートとなったが、前週のエビアンマスターズで得た米ツアー初優勝の自信を胸に、粘りのゴルフを展開した。

 前哨戦のエビアンマスターズのような会心の内容ではない。海からの寒風吹くコースに苦戦した。それでも宮里藍に焦りはなかった。「すごくボギーの多いラウンドの中で、4つバーディーを取れたので良かった。2オーバー、3オーバーがイーブンくらいの気持ちで回っていた」。1番から3連続ボギーをたたいたが、残り15ホールを4バーディー、4ボギーでしのいで、「すごく悪いスタートじゃない」と前を向いた。

 冷たい風が吹き、防寒用のニット帽からのぞくポニーテールの髪が乱れ続けた。リンクス特有の刻々と変わる風で「アイアンの距離が、実際の距離と合わずにグリーンを外した」。1番199ヤードのパー3の第1打は追い風に運ばれた。続く2番、3番もパーオンを逃した。だが、大きくは崩れない。5番パー3でピン右奥4メートルにつけてバーディーを奪い、「大きかった。早い段階で『よし!

 』という感じで」と、流れを取り戻した。8番で約15メートルのバーディーパットを沈めた。

 今季は米女子ツアー出場14試合でトップ10が7回あるが、初日の一けた順位は2試合だけ。2日目以降に追い上げて好成績につなげている。今回の会場で行われた06年大会も、最終日に38位から9位と追い上げた。同組で回った07年全英優勝者の昨年の賞金女王オチョアも同スコア。十分に巻き返せる位置にいる。

 前日、メンタルコーチのニールソン氏から優勝の余韻には浸らず、気持ちを切り替えるようにと説かれ、慢心はない。エビアンマスターズが全英の前週開催となった03年以降、2週連続優勝した選手はいないが、そんなデータは今の宮里藍には当てはまらない。「アイアンも大丈夫。しっかりチャンスを作っていけば」と、メジャー19戦目での初制覇はしっかりと視野に入っている。